ノスタルジックかつメランコリックで胸がキュンとなるような作品でした。
アルバム全体の底にある懐古的で甘やかな流れのなかに
まだ言葉を知らなかった幼少期の無意識や、子どもの宇宙がならびます。
特に現実から夢想へ情景が絞られていく演出は見事でした。
日常のふとした時によみがえる記憶に
思いを馳せるひとときを音楽にしたならこのようになるのではと思います。
失った時への慈しみと哀しみ、言いようのない愛しさが曲に満ちています。
男性・女性voは
メインvoによくある「オケよりも私を見て」感がなく
聴くことを強要させないとても不思議な歌声。
Sunset Wingsの作品に漂う優しげな雰囲気はそういったものに起因しているのかもしれません。
失なわれた美しい時を結晶させたような作品でした。
総評: 5.0 (2件)