まるでジュール・ヴェルヌのSFの世界をそのまま音楽にしたようなアルバムですね。
すごく古臭く感じるのにそれでいて新しい。そんな音楽です。
そんないいアルバムですが、唯一の不満があるとすれば、1曲の時間が短いことかな。
Ashramは”バンド”でも”各個人のソロ”でも非常に水準の高い音楽を提供してくれます。
その中でも、(恐らく)Ashramの音楽の方向性を決定付けているのはこのピアニストのLuigi Rubinoさんではないでしょうか?
一音一音の響きを大切にしながらのピアノには神々しささえ感じます。
昔、イタリアンロックは情熱とパッションの音楽だと言った方がおられましたが、まさにAshramの音楽こそそれです。
アルバムの音自体はひっそりとした静寂とガラス細工のような繊細さが表だっていますが、その中心にはまごうことなきイタリア人の情熱があります。
とてもいいアルバムですね。
所謂むか~しで云うオルタナティブな音がとってもイイです。
聴いているとまるで時間軸が融ける様に感覚が麻痺していつの間にかトリップしている自分がいます。
このバンドの独特の世界観(音楽観)、そして静寂が支配し淡々と進む曲。
アルバム収録曲の最後”The passage”は特に素晴しい。
現代的で、風通しがよく、美しいミサ曲でした。旋法的な旋律や打楽器がノスタルジックな“credo”をはじめ、非クラシカルな響きとリズムに満たされていて、ミサ曲でありながら、神への祈りというよりも、とても個人的な、憧れの音楽のようでした。
---無表情な対象への感情の波とそれらのための時間の経過---「WAVES」という題名のアートワークらしいのですが、音もそのコンセプト通りで素晴らしいです。MAN JUMPING(ここでも紹介されていました!?)、ペンギンカフェも然り、この作品もまたENOの影響力の強さを実感させられます。
スキニーパピーやベルベットアシッドクライストの様なアグレッシブなテクノで非常に打ち込みが強力で疾走感があり刺激的です。クオリティーも文句無しですが、自分的にはシャウトもいいんですけど・・
もうちょいボーカルはメロを歌ってもいい
んじゃないかと思いました。