アバンギャルドな曲調ながら、テクニックがしっかりしているのでかっこいいです。その曲だけ聴かされると?が着きそうな曲も、アルバム全体の中でみるとちゃんと存在感が感じられるところがすごいです。ギターも出しゃばっていないけど、ちょっとホールズワースっぽかったりしておもしろいです。
このコンピは何よりもジャケット(ボックス仕様)も含め、イメージがとても良いですね。
トータル感という点では前作譲るものの、楽曲とそれぞれのイメージが抜群です。
どの曲も異国情緒漂い別世界に連れて行ってくれる一枚です。
前作はどちらかというと”バンド”というより、「ユニット」という感じがしましたが、本作は”バンド”として一体感がある音作りになっていると思います。
メロディも良いし、ヴォーカルもキュートなのですが、
惜しむらくは、前作に比べてやや暗く重くなった感がします。
まず何より、Xavier Recordsさんがレビューで書かれていたように、このようなアンチコマーシャルともいえる作品に大きな賞をあげてしまうチェコという国のセンスに敬服。
ダークネスとリリシズムが渾然となった妖しさが素晴らしく、透明感あるヴォーカルのほのかなエロティシズムも素敵です。
このような音楽は、住宅事情が許せば、大音量で聞きたいものですが…。
動いているIva Bittovaの映像を見たのは、Fred FrithのStep Across The Border以来2度目でした。
ここでのIva Bittovaは、語り、囁き、歌い、叫び、実にカラフルなパフォーマンスを見せてくれ、あらためて彼女の深い魅力を堪能することができます。
そして楽しかったのは、彼女が実にすばらしいエンターテイナーであったこと。
音楽だけを聞いていた時に感じた、ともすればストイックなイメージが、ここでは全く払拭され、例えば宙吊りで客席の上を浮揚するシーンなど、オーディエンスも彼女も、実に楽しそうにコンサートならではの一体感を満喫しているのでした。
もちろんBang On A Canの演奏も、レベル、ムードともに文句なしの素晴らしさ。しかもテレビでの映像もたっぷり付いて、とってもお得。
このような作品を紹介していただけるXavier Recordsさんに感謝…です。
彼の作品の中では特に甘口の作品で
聴く人によっては、物足りなさを感じてしまうかも知れない。
しかし、その甘口のテイストの中にも
彼独自の素晴らしい旋律がちりばめられていて
その音の柔らかさと優しさは、春の日だまりのような暖かさがある。